森林浴を楽しくするちょっとした知識(「樹木の名前」編)
ちょっとした知識(3回目)は、樹木の名前です。名前を知ると楽しみが増えます。他の方とも「○○を今日見つけました」などと共有できたり、自分の中でも「○○の花は咲き出したかなぁ」などを考えることができたりします。今回は、樹木の名前の由来と名前の前半につく言葉の意味をいくつか紹介します。興味を持って樹木に親しむと自然と名前も頭に残っていくのではないでしょうか。
樹木の名前の主な由来
名前は勝手に付けられるものではなく、それぞれ何らかの由来があります。それを大変大雑把に分けると以下のようになります。
- 植物の特徴(形状、色彩など)に基づくもの
- 薬用や日常生活の道具などに関すること
- その他
それぞれの例を見てみましょう
植物の特徴(形状、色彩、生える場所)に基づくもの
- ミツバカエデやゴヨウツツジは、三つ葉や五葉という形状から
- キリは、切ってもすぐ成長するもしくは成長させるために切る木なので、その切るから「キリ」へ
- そしてそのキリに葉が似ていることから、アオギリ、イイギリ、アブラギリ、ハリギリなどが名づけられた
- アオキ(緑色はアオと呼んでいた)、アカマツ(樹皮が赤い)は色から
- ヤブコウジ、ヤブツバキは薮に生える樹木ということから

薬用や日常生活の道具に関すること
- クスノキは、防虫剤などに用いられるため薬の木が転じて
- メグスリノキは、小枝や葉を煎じて点眼液として使用していたことから
- ドクウツギは、実に毒があり中空なものだということから
- 先ほどのイイギリは、イイ(飯)を包む葉だったことから
その他にはムラサキシキブなどの人名やオオシマザクラなどの自生地他、さまざまな由来があります。
次に、名前の前半につく言葉の意味の紹介です。これも手がかりになります。主なものは以下のとおりです。

イヌ○○という名前は「似ているけど異なるもの」を意味しています
イヌザクラ、イヌザンショウ、イヌブナ、イヌビワなどがあります。これらで使われている「イヌ」は、「異な(イナ)」が訛ったものです。
つまり、「似ているけど異なる」ものを示しているのです。「犬」が関係しているのではありません。
なお、カラスザンショウは、サンショウともイヌザンショウとも異なるものですが、人が食べないその実をカラスは食べる(他の鳥も食べます)ことから名付けられたそうです。ちなみにサンショウとイヌザンショウとカラスザンショウは、葉っぱの匂いが異なります。強い匂いはサンショウで、次いでイヌザンショウ、カラスザンショウの順になります
ヒメ○○という名前は小さいことを意味しています
ヒメリンゴ、ヒメアオキ、ヒメウコギなどさまざまな樹木があります。この「ヒメ」というのは「小さいこと」を意味していて、本来の大きさのものとは異なるものを示しています。
ちなみに箱根に多く生育しているヒメシャラは、小ぶりではなく大木ですよね。それなのにヒメがついている理由は、シャラノキ(別名ナツツバキ)に似ていて、花や葉がより小さいからとのことです。
ミヤマという名前は山深い場所(深山)に生育するという意味
ミヤマイボタ、ミヤマキリシマなどは山深い場所にあるものとなっています。ミヤマキリシマは、地名(霧島)とともに名付けられています。
どうでしょう。樹木の名前に興味を感じていただけたでしょうか。頭に残る手助けになると嬉しいです。
参考図書
「山溪名前図鑑 樹木の名前」高橋 勝雄、長野 伸江、茂木 透、松見 勝弥 山と渓谷社
「植物名の由来」中村 浩 東京書籍
この記事を書いた人

高田裕司(たかだゆうじ)
中小企業診断士、森林セラピスト、キャリアコンサルタント、森林インストラクター
親子、小学生から高齢者までの様々な方のご案内を担当。NEALインストラクターでもある。
植物の生態やネイチャーゲームを取り入れた臨機応変な対応には定評があります。
経営コンサルタントとして、農業者支援を数多く実施。50坪ほどの家庭菜園での野菜づくりとランニングが趣味。